成功体験を積む=失敗しないこと? [発達障害]
ずっと昔の話になるのですが、
ある方が息子さんの担任に「うちの子は走るのが苦手なので、運動会の徒競走には出さないでください」とお願いしたら、
「お母さん、息子さんの進む道の石を拾い続けることは息子さんのためになりませんよ」と言われたと、憤慨していました。
息子さんは発達障害を持っていて、運動系が特に苦手なんだそうです。
「だって成功体験を積ませなきゃいけないのよ。ここで失敗したら駄目じゃない!」
と力説しておられたのが印象的でした。
そのときは私も若かったし、何か違和感を感じながらもそれを口にすることはできませんでした。
最近ちょっとしたきっかけでそれを思い出しました。
それ以来ずっと考えていることがあります。
失敗させないことが本当に成功体験を積むことになるのか。
私もずっと息子の行く道の石を拾い続けた親です。
何かありそうだと、先回りして対策を考えていました。
今考えると、それは息子のためになっていたのでしょうか。
小・中と支援学級にいて、手厚く支援してもらっていた発達障害の男の子がいました。
多動傾向もあり掃除が苦手だったため、掃除を強要されることなく中学を卒業ました。
そして高校へ行って掃除が必要になったとき、ぞうきんの絞り方さえ知らないことが発覚しました。
ずっと掃除をしないできたので、掃除の仕方を学ぶ機会がなかったのです。
苦手だからやらせない。
つまり失敗させないことは、一般の子どもが積むべき体験さえ与えないことになりかねません。
失敗して、それが心の傷になって立ち直れなかったら。
親にとってそれはすごい恐怖です。
それが怖くて、子どもに手を掛けてしまう。
それが功を奏したこともあったと思っています。
でも、行き過ぎだったのではないか。
自問自答の毎日です。
今は「少なくともこれからは息子の自立の邪魔はしない!」と、心に誓っています。
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